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新大使歓迎会 レポート
(2015年01月27日 開催)

パリクラブは、去る1月27日(火)、日仏メディア交流協会(TMF)と共催で、新駐日フランス大使、ティエリー・ダナ (Thierry DANA) 閣下をお迎えし、東京港区の国際文化会館・岩崎小彌太記念ホールにて歓迎会を開催した。

司会は日仏メディア交流協会事務局長、瀬古篤子氏。日仏メディア交流協会会長兼パリクラブ名誉会長 磯村尚徳氏がダナ大使と共に登壇され、1月7日に起きた「シャルリー・エブド」襲撃事件の犠牲者への冥福を祈るため1分間の黙とうを呼びかけられた後、ダナ大使の略歴についてジャーナリストとして注目した3つの点を紹介した。
その3つの点とは・・

1) パリ政治学院(IEP)、国立行政学院(ENA)を卒業され、法学修士号、政治学専門研究課程修了というアカデミックな学歴をお持ちでおられること。さらに外務省での最初の赴任地はアルジェリアで、その後、北アフリカ・中東局勤務。そのキャリアが昨今の中東情勢を理解する上で大いにプラスとなっていること。さらに戦略問題部長などを歴任し、北大西洋条約機構(NATO)の変革、ドイツ再統一、ワルシャワ条約機構の解体など世界の歴史の重要な局面で活躍されたこと。

2) 首相官邸、大統領官邸の両方で外交顧問として活躍されたこと。とりわけ親日家として知られるシラク元大統領の外交顧問をされたということは、その時から日本との縁があった。

3) その後、駐香港フランス総領事、アジア・オセアニア局長などを歴任したが、 2005年に官職を退き、コンサルティング会社を設立され9年間成功裏に経営された後、官職に戻られた。日本の天下りとは逆の天上りがフランスにはあるということ。

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磯村氏は素晴らしい経歴をお持ちのダナ大使が今後の日仏関係に手腕を発揮されることを期待された後、大使が直面している課題について触れられた。

現在の日仏関係は磯村氏の60年近い記者生活の中で最高によい状態にある。とりわけ1年半前オランド大統領が国賓として来日された際、日仏の関係が「特別なパートナー」であるとして日仏共同宣言が発表された。それを実現すべく5年間に渡る政治・文化・経済の工程表が作成された。また安倍首相とオランド大統領、岸田外務大臣とファビウス外務大臣との関係は今までの日仏の歴史上例がないほど良好であること。文化関係では日仏会館が設立されてから昨年で90周年。これはサクセスストーリーの典型で、後は微調整が必要なだけ。経済関係は厳しい時代もあったが、現在はルノー・日産関係が良好なのに加え、トヨタはフランスで23万台の製造、500人の雇用を創出しようとしており、かつては考えられないほど日本車が普及している。未開発の部門は戦略問題で、中曽根首相時代、日本がフランスと単独で良好関係を築こうとするとワシントンからにらまれたが、最近は日仏の外務・防衛両大臣会議、2+2が英国よりも1年以上も先行して行われるなど、霞が関外交に新たな風が吹いている。さらに某高級官僚の指摘の通り、日本が直面している近隣諸国との外交問題解決のために豊富な経験を持つフランスと戦略面でのアドバイスをいただきながら協議を行うことが大変有益であろう。以上の全ての環境を包み込む上で、新大使の任務は大変であるが、日仏関係のさらなる発展に実力を発揮されることを願いながら磯村氏はマイクをダナ大使に預けられた。

ダナ大使はまず、新年早々発生したパリのテロ事件、その2週間後に日本人がテロリストの標的になったことに遺憾の意を表明された。
大使のスピーチの概要は下記のとおり。

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昨日、日仏文化協力90年について公邸でスピーチした際、数日前に犠牲となった日本人のために冒頭で1分間の黙とうを呼びかけた。本日の会に集まられた皆様は報道の自由、民主主義を支持する人たちである。報道の自由はこれからも守っていかなくてはならないもののひとつであるが、それが個人の中傷になってしまった場合は法による制限がある。そうでないかぎり報道の自由は断固守っていかなくてはならないもののひとつ。
もうひとつ守らなくてはならないのは信仰の自由。報道の自由、信仰の自由が許されているからこそ民主主義が存在するのだと思う。今回、それらが大きな打撃を受けフランスでも日本でも痛ましい結果となった。しかしながら我々は前を向き、そこからひとつの大きなものを得た。悲惨な事件の後、多くの人たちが街に出て、自分たちの意志を表明したのである。予告期間が短かったにもかかわらず、40カ国、400万人の人たちが自発的に外に出て皆が一緒に行進した。これは民主主義と自由の勝利ではないだろうか?

ここで改めて日仏関係について話す必要がない。さきほど才能あふれる形で磯村さんが既に経済はもちろん、戦略、政治についてもお話しくださったから。ただその中でひとつだけ強調したいことがある。日仏関係の最も重要な基盤となっているもの。それは民主主義であるということだ。民主主義とは空気のようなものではないかと思う。意識することなく存在するもの。空気のようなものであるから存在していることを私たちは忘れがち。今回、確かにテロによる打撃を受けたが、ただ単に蚊に刺されたようなもの。1月11日パリ市内で行なったように、逆にそれらに立ち向かい、自分たちが大切にしている共通の価値観を再確認することによって、またより多くの交流を図ることによって、このようなテロの行動にひるまないということを示していかなくてはならない。中東には次の格言がある。「犬は吠えるけれどキャラバン隊は通り過ぎていく」今回のことをそのようにとらえていかなくてはならないのではないか。

今回は国ではなく、集団によるテロだったが、国レベルにおいても同じことが言えるのではないか。民主主義の国同士が戦うこと、戦争を起こすことはなかった。自由、平和、民主主義のために前を向いてその価値を広く世界に広めていくことが大切ではないか。また私たちは今回のようなテロ事件が発生したから、危険だからと言って内にこもるようなことはしてはならない。自分たちの場所から動かないのではなく、共に前を向いていく必要がある。危険はあるかもしれないが、対策を講じることによって外に出ることを可能にしてくれる。

2015年はいろいろな意味を持つ年になるであろう。日本は自由な国、民主主義の国、平和の国であるということを世界に向かってもっと発信していくべきだ。私としては皆様方と前を向いて歩いていきたい、日本の皆様と友好的な多くの物事に関して協力しあえるような1年にしていきたい、その中で最初にできることは人と人との交流ではないか。本日はそういう趣旨で皆様がお集まりになっていると承知している。国としての対話を大切にし、若者の交流をより一層活発にしていきたい。皆様方と多くのことを共に実現できる年となるよう、祈願している。

ダナ大使のスピーチの後、瀬藤会長が講演会などのパリクラブのイベントを通してこれからも日仏関係を深めていきたいと自身の抱負を述べ、乾杯の発声を行なった。

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乾杯の後の懇談会では、多くの参加者が大使を囲み、それぞれの立場での日仏交流の抱負を語り合った。また日仏メディア交流協会のメンバーとの交流を深めることもでき、約110名の参加を得て行われた新大使歓迎会は成功裏に終了した。
(記録:パリクラブ理事 森)



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